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Sigh 2:美しい共犯

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最近文章を書いていなくてまずいな、と思ったときに、インスタグラムの質問募集のようなスタンプに【あなたの言葉を受けて文章を書きます】と書いたところ、そのほとんどが「喋り言葉」だった。そしてそれに対して、返答ではなく呼応する文章を書くということがライフワークになっていった。いわば、リハビリと思って始めた編み物が本格的な趣味になってしまったようなものだ。本書はそうやって始まっている。

ラジオを聴いていればわかるように、「書き言葉」に「喋り言葉」で応答するというケースはそう珍しいものではない。
しかし書き言葉で話し言葉に呼応されるとき、私は自分の内にある「言葉たち」に対して、一人で文章を吐き出すときより慎重になっていることに気づいた。

大学院生のときも文章が書けなくなった時があった。その時、指導教官に言われれた言葉がある。
曰く、「本を読んで気になった箇所をすべて写経しろ、様々な本を写経する内に、様々な著者の文体や、癖が君の中で混ざり、きみだけの文章がかける日がやってくる」

私はこのライフワークを続けていくうちに、自分の書き言葉がぐにゃりと曲がるのを感じた。喋り言葉的になったわけではない。ただ呼応するだけだったはずのそれは、いつしかその呼応を享楽的に楽しむ営みへと変化していた。

ここから、「喋り言葉」を削ぎ落としたときに残される変形した私の言葉たちをなんと呼ぼうかと考えた。随筆でもなければ日記でもない。となると、と思い、【美しい共犯】以外ないだろうと思った。1文に対して並置した写真は私が撮ったものだが、文章に対しての共犯関係にある。それとの関係性があるのかないのかを読み手に委ね、何かしらの呼応が起きれば楽しいと思った。

書くことはとても難しく、とても簡単だ。ただ書く、ということの困難さと楽しさが伝われば嬉しい。

B6、モノクロ、110ページ

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